ぼくたちのワールドカップ 2002
 宮城  最低のコーディネイト 
INDEX   前へ  次へ

いやな予感がしたのである。4年前の最終戦も雨だった。(尤も、この時は勝っても最終戦であったが・・・)僕の観戦したトルシエニッポンはコンフェデ決勝のフランス戦しか負けていない。シドニーでも僕が帰国後は2戦2敗であった。そして、今回は僕は生観戦できない。
 何かにすがる。朝、僕はブルーのシャツにブルーのネクタイ(コーディネイトとしては最低だ)で出勤した。ふっと良いことも思い出した。コンフェデセミファイナルも雨だった。そして僕は観戦できなかったが、勝利した。また、トルシエ不敗神話は僕だけでなく、トモコさんも同様だ。しかも、今回はトモコさんは宮城に行った。すなわち、当家の1/2は生観戦している。

 いやな予感とは、緊張した時に、もしくは真剣に願いをこめている時におこるものだと思う。僕は過去の3戦のどれよりも今回が緊張していた。この緊張はフランス予選の韓国戦時のように、絶対に勝たなくてはいけないという、いわば背水の陣とは異なっていて、もしこの1戦に勝利すれば日本のサッカーは大きく変貌するという期待感であった。さらに相手がトルコである。たしかに欧州の強豪ではあるが、ドイツやイタリアではない。勝てる可能性が充分ある。その気持ちが期待感にさらに拍車をかけていたような気がする。
 
 15.00一時帰宅。代表のユニに着替えTV前に座る。TV観戦のせいなのか、日本の動きがいつになく重く感じる。開始早々、最初の15分を我慢してくれ!、僕はそう願った。その願いの15分まで後わずか。僕は15分を耐えたら勝てると思った。その時、中田浩のパスミスからCKを奪われる。再び、いやな予感が悪寒のようにカラダに伝わる。同時に、このCKを防げば勝てる!本当にそんな気がした。しかし、周知の通り、僕の願いは届かなかった。

 なんとなく重たい感じのまま後半開始。戦評をするタイプではないので、ここでアレックスの交代について触れる気はない。ただ、75分までに同点にしてくれることのみを願った。1点のビハインドのまま、後15分を切る。TV観戦の僕のアタマの中は、いろんなことが理屈も無く駆け回った。
「絶対、点がとれる。今に喜べる。」という確信。
「ベスト16に入ったのだ。」という満足感。
「負けても、選手を誉めるべきだ。本当に良くやった。」という充実感。
そして、アタマの中は、
「でも勝てるゲームだ。絶対に勝つ。まちがいない!」という確信に近い願いに戻り、満足感、充実感を繰り返す。そして西澤の最後のシュートが枠外にはずれ、ゲームが終了した。

単身宮城行きを決行したトモコさんと呆然自失の某誌編集長

 その時の僕は意外にもショックは少なかったようだ。どちらかと言えば、ベスト16の満足感が残念感に勝っていたようだった。しかし釈然としない。何故「総攻撃」をしなかったのか?これが4年間の最後のゲームなのか、本当にそれで良いのか?

 トルシエの涙を見ながら、最低のコーディネイトのシャツとネクタイに着替え、僕は会社に戻った。

INDEX   前へ  次へ   
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送