◆That's How Strong My Love Is
１１月３日（日）、いよいよ決勝戦である。そう、Ｋさんが僕にひざまずく日なのである。１２：００ ｋｉｃｋ ｏｆｆ 昨日の準決勝を観た限りでは、両チームともＦＷに比較してＤＦにやや難があると思ったため点の取り合いになるかと思ったが、立ち上がりはお互いに慎重であった。その中でも上田西はＤＦラインをコンパクトに保ち、若干ではあるが優勢にゲームを進めていた。しかし前半は０−０のまま終了し、後半が始まった。両チームともやや疲れが見え始め、ＦＷとＤＦのラインが間延び（というより中盤省略）し始めるが、ＦＷのスキルは上田西が１枚上手、以前として優勢にゲームを進めていた。その時だった。全体的にやや前がかりになっていた上田西のスキをつき、地球環境のカウンターが決まった。０−１地球環境のリードである。
この頃からだろうか。僕の意識の中にひとつの変化が生まれたのである。それは今までのＫさんに勝ちたいなんて不純なことでなく、心から純粋に上田西を応援し始めたのである。たしかに先輩のご子息Ｙくんが在籍している（サブだった）チームであるという縁はあるが、ただそれだけ。普通だったら松本まで出向いて応援することもなかったはず。しかし昨日からの２ゲームを観戦し、このチームのクリーンなファイトに好感を持ち、そしてその好感が徐々に愛着に変貌してきたのである。僕は声を出し、立ち上がって応援を始めた。そして後半３６分、歓喜がおとずれる。１０番中村くんが遂に同点ゴールを決めたのである。僕は純粋にこの同点劇に歓喜し、立ち上がって飛び跳ねて拍手をした。まるで上田西高校の一員になったような気分だった。
そしてゲームは延長に突入し、相変わらず上田西の攻撃は鋭いが、相手ＧＫのサーパーセーブにより得点の機会を逸する。延長後半、遂に均衡が破れる。相手右サイドからのクロスを９番がヘッド、ＧＫがさわりセーブしたように見えたが、ボールは無情にもゴールへ。地球環境の勝ち越しである。そしてこの熱戦は遂に終了。地球環境が全国大会への切符を手にしたのである。
残念だった。だってゲームは７０％上田西が支配していたと言っても過言ではないはず。本当に残念だった。でも外様の僕が何でこんなに残念がっているのか？僕はいつの間にかサッカーへの愛が上田西への愛に変貌している自分に気が付いた。そしてその愛はかなり強いものであった。
さて、上田西の話ばかりでなく地球環境の話題にも触れておこう。２日間も同じスタジアムに通うと当然顔なじみができる。その１人が地球環境のＧＫのお父さんであった。彼は宮崎から１２時間かけて息子の応援に来たらしい。このお父さんに代表されるように、地球環境は良い意味での「寄せ集め集団」であり、かつ新設高だ。そのため決勝の応援に訪れたサポーターは上田西と比較すると、かなり少ないのである。しかし１人１人がサッカーを知っており、かつ熱いハートを持っていて、その応援は上田西を凌ぐものであった。またその応援は、ゲーム中ファールで味方選手が倒れて相手選手がピッチ外にボールを出した時に拍手をしたり、ゲーム後に相手高校にエールを送ったりとフェアプレーに満ちていた。これも松本監督の人望なのであろう。そうでなければ、わざわざ東京からいい年こえたオヤジが２人も応援に行かないもん。（もちろんＫさんとＵさんのこと）
そう、ここにもサッカーへの強き愛を所持する人々がいた。僕はそれだけでも何かうれしくなってしまった。
◆星空のディスタンス
さて、決勝の興奮が収まり、ＫさんＵさんと一緒に帰京することとなった。興奮があるうちは純粋なのにそれが収まってしまうとお互いただのオヤジに戻ってしまう。で、帰りの諏訪ＳＡでは、散々Ｋさんに憎まれ口を聞かされた。まあ、負けたチームのサポーターとしては、何も言い返せないけど。で、そんな憎まれ口を小１時間聞かされ、諏訪ＳＡを出発したのは１６：００。しまった、渋滞を忘れていたのである。３０分でも早めに出発していれば、渋滞を避けられたかも知れないのに、憎まれ口を聞いたがために、僕のクルマは大月あたりから星空の下のディスタンスとなってしまい、おうちに帰宅したのは２１：００を超えてしまっていた。もちろん愛のレジスタンスが燃え上がることもなかった。
おつかれさんでございました。
◆蛇足
題名にしてきたアルフィー以外の英語は僕の愛するOTIS
REDDINGの曲名である。このEarthyなR&Bは魂をふさぶるよ。だからどーしたってわけじゃないが、僕だってサッカーだけじゃなくて少しは他のことも知ってるよ、って自慢したかっただけさ。
