カントクの寝言  カテ1にはカテ1の事情がある (2003.06.15)
  home 

 5月31日から始まったアラシのような代表3連戦が終了した。この3戦僕はもちろん参戦したが、その席はある事情があって全てカテ1であった。世の中にはカテ4のチケでカテ1で観戦する猛者やカテ2を持ちながら騒ぎたいためにカテ4に行く若者等様々な人間がいるが、紳士である僕はルールに則り自分の席で観戦した。しかしお金がかかったなぁ・・・。それから蛇足だがこの3試合の席は、国立が最前列、長居が5列目、サイスタが2列目であった。国立聖火台下を定位置としている僕にとっては、目線が下すぎるし、ホームとアウェイは逆だし、なんか違和感のあった観戦であった。まあ自業自得なんですけどねぇ。

 さて、切歯扼腕というか諸行無常というか焼肉定食というか・・・(ほとんど意味不明)、何も表現をしたくない韓国戦以外の2戦は、勝とうが負けようが(勝てなかったけど)まあ多少は冷静に観られたと思う。で、何を冷静に観られたかというと、お得意の観客ウォチングである。ここでは、アルゼンチン戦、パラグアイ戦におけるカテ1の驚愕の事実を回想していきたいと思う。それでは、「カテ1にはカテ1の事情がある」のはじまり、はじまり・・・。

いやな予感がしたアルゼンチンカラーのバス

■第1章 そこにいたのはアイマールだった

◇ビアンコ&セレステの女たち
 僕の前列に鎮座されたおねいちゃん2人は、ビアンコ&セレステのユニを装っていた。しかもそのうちの1人は背中に16番アイマールと記載されている。が、ここまではよくあるミーハーなハナシ。しかしこのおねいちゃんたちは少し違う。まずやたらにアルゼンチン選手に詳しい。アルゼンチン国家の時は胸に手を当て、君が代は無視。当然ニッポン・チャチャチャも無視で、黄色い声で”アイマール””サビオーラ”、しかも日本がファールした時には右手を斜め前方に上げて”ノー”。それだけでなく、”なぜサネッティが左にいるの?””日本の右サイドを崩すためよ”なんて会話もしている。てな感じでアルゼンチンサッカーにそこそこ詳しいらしい。僕はまあどんな動機でもサッカーが好きなおねいちゃんが増加するのは良いことだと大人の考えで微笑ましく見守っていた。点をとられるまでは。

 日本がリードされる。おねいちゃんたちは喜んでいる。そのうちに知らず知らずの間に僕のアタマが沸点に近づいてきた。僕は古い人間かも知れないが、どんな時でも日本の味方だ。オリンピックでは大嫌いな女子柔道やらヤキューでも、やはり日本の勝敗が気にかかる。(TVでも観ることはないけど、たまには見る程度はしている)それだけでなく、小泉さんがサミットでいじめられたら悲しいし、ブッシュがバカにしたら少しはアタマに来る。これって理屈じゃなくて、思想でもなくて、やっぱり血なんだと思う。それなのに、目の前には日本代表がチンチンにやられている時に大笑いしているバカオンナがいる。

 そして後半例の素晴らしい3点目が入った時、僕の沸点は遂に頂点を超越してしまった。喜んでいるバカオンナの椅子(背中)を思い切り蹴っ飛ばしたのである。幸いにもバカオンナ達はゴールの喜びで立っていたので被害はなかったが、僕自身はそれを意識しないで椅子を蹴っていた。もし彼女たちが座っていたとしたら・・・、後で考えると少しだけ自分の行動が恐ろしくなってしまった。

◇何が本当なのだろうか
 善き人の僕は言う。それが日本のスタジアムの素晴らしさじゃないか!W杯でのベッカム様のように外国人には奇異に映る他国のユニを着て闊歩するのと同様に、代表戦のスタジアムで他国を応援できる自由、またそれを堂々と行っても周囲からビールやあきかんが飛んでこない安全、だからこそ日本のスタジアムに女性や子供が安心して訪れることができるんだ。しかもここはカテ1だ。もしも彼女達が周囲の日本人が一生懸命応援しているゴール裏で同じことをやったら、非常識かも知れない。しかし、周囲が”まったり”観戦しているところで、何をしようが問題ないじゃないか。いや、サッカーに関係ないハナシをべちゃくちゃしているならば注意してもよいかも知れない。しかし彼女たちは彼女たちなりのスタンスで一生懸命サッカー観戦をしているわけだ。しかも無駄に立ったりとかで周囲に迷惑をかけることもない。だから許容すべきなんだ。

 一方悪しき僕は言う。いいよ、何を応援しても自由だよ。でもな、ここは日本なんだ。そして日本代表が戦っているスタジアムなんだ。当然ながら周囲はみんな日本を応援しているはずだ。その状況下で敵国を応援するってことは、自分はあんたたちの敵だって宣言していることと同じだ。そしたらあきかんが飛んできても文句を言うなよ。蹴っ飛ばされても文句を言うなよ。まあ百歩譲って心で応援するのはかまわない。しかしキャァーキャァーわめくな。オンナの甲高い声はそれだけで耳障りなんだよ。第一、あんたら日本人だろ、アルゼンチンのサルマネしていてそんなに楽しいか?ったくお里が知れるっていうか、むかつくんだよ。バカ!ブス!

 理屈的には前者が勝るだろう。しかし、まるで戦後まもなくのアメリカかぶれのようなサルマネ外国信奉は単なるファッションであり、奴らがサッカーを育てていくとはどうしても考えられない。たしかにどんな観戦の仕方をしても自由だし、それができる日本は素晴らしいと思うが、そうであっても周囲とのハーモニーを無視するのは単なる自分勝手以上の大迷惑であると感じる僕のアタマは正常なのだろうか?

豪華な布陣でありますこと。


■第2章 お金の無駄 

◇電車の中の携帯電話
 携帯の電磁波がペースメーカーを狂わすという科学的な内容は置いて、電車内の携帯の何が迷惑かというとトーンが違うことなのではないだろうか。すなわち、電車内での会話と比較して携帯での声は1オクターブ上がり、かつ音量(声)も大きくなる。これが電車内の秩序を乱す要因となり周囲がイライラするのだと感じる。同じようなことはスタジアムでも起こる。ゲーム中にまったくゲームと関係ないハナシをしている奴、「あさって」の方向を向いている奴。スタジアムは喧騒に包まれ、かつ立ったり座ったりと様々ではあるが、いずれにしてもゲームを観戦している人間には、同じ空気が流れていると感じるのであるが、上記の奴らはそれをぶち壊しているのである。パラグアイ戦で僕はそんな体感をした。

◇焼きそばと雑談
 そのオンナはキックオフ15分後に僕の隣席に座った。座ると同時にビールをカップホルダーに置き、焼きそばを食い始める。ゲーム中の観戦者は(テニスが最もわかりやすい事例だが)だいたいボールの方向、それてもピッチ方面に目線をおいている。要はほぼ同じようなカラダの向き、姿勢を自然にとっていると思うのだ。(だから国立のあの狭い席が苦痛じゃないのかもしれない。)しかし当然のごとくこのオンナは周囲と全く別の動きをする。ボールが(自分からみて)左サイドにあり、観客が左方面を向いている時に、かかんでカップホルダーからビールをとる。また僕の目線に焼きそばを頬張る醜い顔が飛び込む。

 それだけで終わればまだよろしいのだが、そのブスはさらに隣のオンナ(友人なのだろう)とサッカーに全く関係のないハナシを始めやがった。それがものすごく耳障りなのである。ゲーム観戦の集中が切れそうになるのである。ブスのハナシは継続している。
 「この前の韓国戦で・・・、アルゼンチン戦はさぁ・・・」
驚いた。単なるミーハー初心者かと思ったが、その2戦とも観戦しているらしい。それだけ(おそらく)好きで観戦に来ているのに、何故ゲームを観ないでおしゃべりをしたり、焼きそばを食ったりできるんだろう。僕には関係ないし、個人の自由だけど、お金の無駄じゃん。いやホントに個人の勝手だけど周囲に迷惑だけはかけて欲しくない。そして、くだらないストレスを僕に与えないで欲しいだけなんだけどな。

W杯でキャンプした松本から多くのパラグアイ応援団が来た。

■第3章

 僕は以前から記載しているとおり、スタジアムでの観戦の仕方は自由が一番だと思っている。「応援しなければサポーターじゃない!」という人もいるが、例えサポーターの定義はその通りだとしても観客全てがサポーターでなければいけない、なんてルールはどこにもない。しかし自由と自分勝手は違う。前述の車内携帯電話と同様に、自分が自由であるためには守らなくてはいけない社会常識というものはあるはずだ。僕はスタジアム内の社会常識とは周囲に迷惑をかけないことだと思っている。ただ、アイマールオンナの甲高い声が、ブスオンナの焼きそばが、迷惑行為かどうかは実に微妙な問題だ。しかし、スタジアムに来るみんなが社会常識を持ち、周囲に迷惑をかけないような行動をしようと少しでも考えていたら、そこは今まで以上に快適な空間になると思うのだ。

 と、まあ、まとめてみたが、何かしまりがない結果となった。でも日本代表のゲームって要するにいろんな奴が来るんだから仕方ないのかな。それがいやだったら国立の聖火台下や横国の2階席(いずれも自由席)でJを観ろ、ってことかもね。この付近だったら、周囲はみんなサッカー好きな人たちだから、変なストレスがたまることもないしさ・・・。

  home 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送