カントクの寝言  tommy流テクニカルレポート (2003.08.21)
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  何の気の迷いかはおいて、今回はテクニカルな視点でハナシを進めていく。尚、以下論じるディフェンスシステムに関しては、「フラット」か「スイーパー(もしくはリベロ)」かを含めると、ややこしくなるのでわざと避ける。(逃げる)また、サイドの右左は全て自チームゴールからの方向で示すこととする。

◆4バック論

1)4バックの王道
 4バックとは4人のDFがいるシステムであり、簡単に言えば4人で守るということだ。しかしSDFとCDFには明確な役割の違いがある。まずは(図1)を見ていただきたい。右サイドから攻められた時、右SDFは前に出て相手をチェックする。(当然ボール奪取、もしくは相手攻撃を遅らせる目的である)同時に左SDFは右SDFがかわされた時のために、CDFと同じ深いラインに位置をとり、カバーリングを行う。(逆サイドにふられることを未然に防ぐ意味もある)逆サイドから攻められた時は左SDFがチェックに上がりし、右SDFは下がる。これを一般的に「つるべ」の守備と言い、今なら小学生でも知っている守備の基本である。

2)日本代表の4バック
 しかし代表の4バックは何故かこの王道を外している。(図2)を見ていただきたい。左SDFのアレックスが常に高い位置をとっているため、右サイドを攻められた際に、山田は抜かれるリスクを考え思い切りアタックに行けないのである。何故ならば、もしアタックをかわされた場合、アレックスの後ろ(黄色部分)に大きなスペースがあり、同時に山田の後方にもスペースが出来てしまうため。またアタックに行けないということは、自分の位置が下がるということで、自分の前にもスペースが空く。昨日もこのスペースを使用され右サイドを再三攻められていた。

図1 図2

3)もうひとつの4バック王道
 ロベカルの魅力は何か。FKももちろんだが、思い切ったオーバーラップであろう。これが4バックシステムにおけるSDFの大きな魅力である。また左右、そしてレベルの格差はおいても、山田も素晴らしい足とセンタリングを所持するプレーヤーであり、彼の魅力は右サイドの駆け上がりである。では、どうやってどのタイミングでオーバーラップをするのだろうか?(図3)で示した通り、基本は(図1)の守備と変わらない。(図1)のチェックが成功し、ボールを奪取できた時こそがオーバーラップそしてセンタリングのチャンスなのである。

図3

4)再び日本代表の4バック
 さて、そろそろ何が言いたいかおわかりであろう。アレックスの中途半端な位置取は、日本の左サイドを不安にするだけでなく、右サイドからの攻撃の機会までも逸しているのである。さらに彼の位置は俊輔もしくは中田、ある時は遠藤とかぶる位置であり、要するに3バックのサイドMFの位置なのである。さらに彼のDFラインへの戻り遅延は、遠藤に負荷をかけているのも事実である。
 DFはしない、攻撃の時はMFとかぶる、つまりじゃま、これでは日本は10人で戦っているようなものである。決してアレックスが下手なもしくは代表にふさわしくないプレーヤーであるとは思わないが、どう考えてもSDFを彼に任せるのはおかしいのである。

5)まとめ
 アレックスをはずせ、この一言で終えるのは簡単である。しかし、そのような論者に一言言いたい。「あなたは清水のアレックスを見ていますか?」と。
清水のアレックスは”えぐり”もするし、きれいなアーリークロスも上げる一流のSMFであるとボクは思う。では同じ左サイドながら日本代表になると、何故彼はあんなに右往左往するのか?結論はチームコンセプトの不明確さにあると思う。では何故チームコンセプトが不明確なのか、当然コンセプトを策定する人間の資質の問題であろう。昨日のゲームだけでも、この4バック以外にも多数の首を傾げる采配があった。結論はひとつ。
「ジーコをはずせ」
これ以上、勝敗は別にしても楽しくない代表戦は見たくない。

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