帰国後
 「ファイナリスト」
   

メッセージ写真

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多くの日本人と同じように、オイラは日本が参戦しているW杯を始めとするサッカー観戦で海外に行く際、必ず「青」を着る。それは、日本代表チームをサポートしていることの自己表現とするという理由以前に「日本人である」ことを周囲に簡単にわかってもらうためだ。マチでこちらが日本人だとわかってくれれば、相手は「ジャパーン」とか「ナカータ」とか声をかけてくれる。その声の主が緑のユニを着ていれば、こちらは「シェルド・リンド」「ホルヘ・カンポース」「ウーゴ・サンチェス」なんて言って、そこからバイリンガルサッカー会話が始まる。これがとても楽しいし、少し大袈裟に言えば、日本人としてのアイデンティティを誇れる瞬間だからである。

2006年はこの「青」着用に少し工夫を加えた。例えばフランス-トーゴにおいては、自分の席がたまたまフランスゴール裏であったことから、青いTシャツに"Le japonais ne fait pas blessé Zizou."(日本人はジズーにケガさせない)というコトバを入れた。これは自分がこのグループの同組であった韓国の人間ではない(それとまちがってほしくない)という意味を込めて少しひねったメッセージであったのだが、フランス人に大受けした。

そこで今回のドイツ遠征で考えたメッセージが写真なのである。もちろん「青」で日本人だということを発信するのは基本、それに加えて開催国であるドイツへのリスペクトを端的に表現する目的で、決勝戦をドイツ-日本と想定したコピーを作ったのだ。

余談であるが、アウグスブルグのイングランド戦で写真撮影をしていたJフォトのカメラマンが、そこにイングランドの国旗があれば完璧ですね、と言っていたが、それは違う。その日のイングランドは対戦国であり、たしかにサポーター同士がフレンドリーになるのはW杯の醍醐味だが、一方で「敵」であるイングランドの象徴を身に付けることは絶対ない、それこそがこれから戦う相手国及びサポーターへのリスペクトなのだが、某カメラマンはそこまで深くサッカーを理解はしていなかったようだ。

さて、そのTシャツのハナシだ。これもドイツで大受けだった。が、作成した自分自身の気持ちはどうだったかと言えば、正直ジョークだった。たしかにドイツが決勝に行く可能性はそれなりに高いだろうが、我がなでしこがそこまでたどり着くことは、想像とかはしていたし、願望もあったが、現実とは捉えていなかった。しかもアウグスブルグのイングランド戦完敗を目の前でみて、さらにその晩トーナメント初戦の相手がドイツと決まった時点で、ドイツ-日本の決勝戦が100%なくなったと同時に日本がファイナリストとなることも、ほぼ同様の確率で消滅したと落ち込んだ。

が、我が大和なでしこたちの気持ちはオイラのように軟弱ではなかった。思えば、オイラが彼女たちを追うきっかけとなったのは、2004年4月の北朝鮮戦の歓喜だった。それ以降、彼女たちはどんな大会でも、開催国とか格上のチームを破り不利を克服してきた。そんな強いメンタリティを持っていた。そして今大会でもなんと格上であり開催国でもあるドイツに勝利するという快挙を成遂げ、さらにあの激闘後に難敵スウェーデンまでも倒し、栄光のファイナリストとなった。彼女たちのゲームに感銘を受ける理由は、ジャイアントキリングだけが理由ではない。そこに至る過程、すなわちゲーム中の「ひたむきさ」が素晴らしい。例えば、スウェーデン戦で横パスをかっさらわれて失点してしまった直後の沢は、下を向かず逆に仲間を鼓舞していた。1回ダメなら2回目、今ダメなら1秒後、そして常に1歩前への頑張り、これらのひたむきさが、はっきりと見えるチームなのだ。

さあ決勝。ここまできたら、頑張れとか力を出し切れとか言わない。ただ一言「ワールドカップを抱け!」と言いたい。きっと、彼女たちが一番そう思っているし、そうなることを信じているし、そうなるために歩んできたのだから。

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