FRANCE World Cup 98 part3
part1   part2   part3   part4   part5   part6   HOME

6月22日

 朝出掛けに須賀夫妻が夕飯は部屋でパーティーをしてくれるとのこと。ラッキー。夕飯代が浮いた。
ところで今日も観光。というか買い物。JCBプラザでクロアチア戦を少しTVで観る、少しなので感想はない。adidasでユニホーム上下購入、PSGもみる。シャンゼリゼ、カフェ等とりあえずおフランスを一通り済ます。夜パーティーのため日本食を買ってホテル着。

奥さんと八重子・万里子姉妹

 さて一緒のツアーのオジチャン、オバチャンを紹介する。一言、変わっている。まず八重子、万里子姉妹。2人ともだんな、子供を放っぽらかしてのご参加。姉はレッズのサポータ、妹は半分つきあっているうちに、はまった。自宅でブティック経営しているという言い訳のもと、ブランド品買いあさり状態。今回もどれだけエルメスやなんかを買ったことか。でも母性本能のように代表を愛している。

 次に須賀夫妻、これも変わっている。とりあえずカズが好きだそうだが、そんなにサッカーに思い入れがある訳じゃない。どうもだんなは流行物スポーツが好きだそうだ。ウィンブルドンも行ったみたい。その流行物の一環としてW杯は絶対観なくてはいけない、という義務感?のもとツアーに参加。往復ともビジネスクラス、ディナーはリドやバトゥムッシュ、昼は競馬と贅沢三昧。ついでに夫婦で酔っ払い。
こんな変な人達だが、僕は随分助けられた。

 僕はW杯に来た。目的はそれだけ、フランスなんてどうでも良い。メシもどうでも良い。
ただこれだけ一直線だと、どうしても情緒不安定になり、つまらないことで機嫌が悪くなる。それで智子を不快にさせる。そんな時彼らが「まあまあ、そんなに熱くならずに」と言葉で、態度で示してくれた。これが、ただの他人だったらムカツクだけだが、ある意味で彼らは僕以上に日本代表を愛していた。そんな同胞といえる人達の温かさは、たまに切れてしまいそうになった僕を止まらせてくれた。ありがとう、変なオジチャン、オバチャン。これからもお友達でいようね。

 さて夜の部屋パーティー。やっと飲みました。バランタインの17年、アンチョビ、キャビア、OHフランス。何をしゃべったかあまり覚えていないが、歳は八重子さん、だんな、そして奥さん、万里子さん、僕が一緒、で智子だそうだ。やっぱり同じ位だと思った。
もう40台でこんないい加減な日本人がよくも3組集まった。世の中ではしっかりした管理職の年代なのに、働きバチなのに、ねえ。
でも気が合った。(当たり前か)
サッカーも観ないで、酔っ払ってご就寝。

6月23日

 今日はクロアチア戦のツアーと別れの日。
本当は朝起きてバイバイをしたかったが、昨日の酔いが残り起きられず。9時頃ボッーと起き、ワゴンに乗ってホテルを変わる。
到着したのは、ホテルトニック。リヨン駅のすぐそばである。便利はOKだが、部屋がひどい。エアコンなし、くっつけてシングルベット2つ置いただけの広さ。そしてパリは
 35度。どうしようもない。部屋にいてもしょうがないので出かける。
メトロで30分、サンドニへイタリアvsオーストリアを観に行く。もちろんチケットはなし。あてもなし。一昨日アルゼンチンvsジャマイカでさえ1000Fださなければ見られなかったという情報もあり、ほとんど行き当たりばったり、当たって砕けろ状態、ただ決めていた事、2人で1200F、これ以上はビタ一文ださねえゾ。

同日 イタリアvsオーストリア戦ゲート前

 メトロはモロ混雑、まるで東京の地下鉄、しかも暑い。やっとSt-Denis-Porte de Parisに着く。スタジアムゲートの前に橋があり、そこに落ち着く。5分に1回位の割合でダフ屋のお兄ちゃんが近づいて来る。最初は1枚2000F、すぐ1000Fまで下がるが、あくまで2枚で1000Fを譲らない。

サンドニスタジアムゲート前の橋
ここでイタリアvsオーストリアのチケットをゲット!

ダフブラザーは呆れていってしまう。そんな金じゃ誰も譲ってくれないよ、と言いながら。
(もちろん外国語、フランス、ポルトガル、スペイン語で、でもちろんヒアリングできたのでなく雰囲気で)
時間は3.30PMをまわる。スタジアムから「ロベルトバッジョ...ウオー」という喚声が聞こえる。入りたい、観たい、でも1200F。譲れネエー。結局開始10分前観戦は諦める、でも少しでもスタジアムの雰囲気をと思いゲート近くに歩き出す。

 とその時バッタモンのイタリアキャップを被ったおじさんダフ屋がいる。ダメモトで「おっさん2枚ある?」とりあえず聞いてみる。「あるぞ。いくらで買うか。」「2枚で1000Fちょっきりね。」「言葉わかんねえから書け」という会話の後、ままよと2・1200Fと書く。「OKね。でもイタリア応援してネ。」ナヌ、OKだと、おっさん。まずはちゃんとチケットの透かしを調べたね、そして思わずイタリアパパに抱き付いた。ヨッシャー、観れる...。

同日 そしてサンドニ スタッドウ ドウ フランセ

 ゲームは始まっている。僕らは駆け足でチケットに記載されているゲートに急ぐ。中に入って驚く、モロイタリアサポーター席のド真ん中。最高の席。(ちなみに定価250F)決してピッチは近くないが、観客席の急傾斜のためとても見やすい、そしてきれい、大感動。偉そうなにわかファンの流行歌手がサンドニは無機質だとか、熱さが伝わってこないとか言っていたが冗談じゃない。金も払わず、チケットに悩まされず、ボッーと良い席をあてがわれて観ているアホが批評すんな、しゃべるな。ともかく僕らは大感動だった。

 奥さんが本気で速い、日本と違うと言う。よしよし、本当のサッカーの魅力がわかってきたゾ。またサッカー観に外国へ行けるゾ。
もちろん速さに異論はない。と言うか僕も驚愕、本当のサッカーの魅力にはまる。
49分デルピエロのFKにビエリがあわせてイタリアゴール!!!スタンドは大騒ぎ。
バッジオはでてくる、しかも点とる、パリウカの奇跡的セーブはある、盛りだくさんのフルコースで大大大満足。ホント来てよかった。
イタリアパパありがとう。フォルツアアズーリ。ちなみに僕は右MFのモリエロの大ファンとなる。あの速さ、判断、守備、攻撃、エレガントで強い、最高。

 さてもうひとつスゴイと思ったのは、イタリアサポーターの応援である。前述のように僕らはイタリアサポーターのド真中に座った
そして肌で実感した彼らの応援は、まさに代表のサポートであった。サンドニゴール裏2階席にいた数千人のイタリアサポーターは、当然アズーリ一色、歳は老若入り乱れ、ほとんど男性である。

イタリアサポーター席

 ウルトラの太鼓、レッドデビルズの変な金属音の楽器等鳴り物は一切なし、よく欧州選手権でみる発煙筒もなし、応援は声のみである。誰がリーダーという訳でもなく、どこからかタイミング良く、「イータリア、イータリア」と声があがる、間髪を入れず合唱となる。スタートの声の主はおやじであったり若者であったりバラバラ、だが皆すぐ反応する。
やはりバモニッポンやアレアレーのようにいくつかのパターンがあるようだが、どれがでても即反応する。そして皆楽しそうだ、もちろんアズーリへの思い入れは僕らが考えている以上のものだと思う、が殺気だっていない、心からアズーリを応援し腹の底から声をだす。そして1人が目立とうとしない。

 繰り返すが期をてらわず、言わば真面目に応援している。その中で特に素晴らしく感じたのは、全員がマナーを守り座っている。たまに赤いポロシャツの係員から立つなと注意されると、おとなしく座り以後立ち上がらない。まるでここサンドニではそれがルールだ、郷に入れば郷に従え、という事を理解したかのように。

 振り返り日本のサポート体制はどうだったか。他に誉める事がないからだろう、ゴミを拾って帰る日本サポーターを一部のマスコミが立派だと、とりあげていた。が、僕の感想では一言エゴまるだしであったと思う。僕らサポーターも代表と同様初体験の「世界の壁、いや世界の歴史」にぶちあたったのではないか、そんな気がした。

 イタリア席に戻る。もうひとつまさにイタリアと思った瞬間がふたつあった。ひとつ、それはビエリが得点した後、すぐにGAME IS OVER というタレ幕が登場した事。
OH!さすがカテナチオの国、1対0に最も価値を見出す国。
ふたつ、バッジオ登場の時その歓声のすざましさ、この国のカルチョの王様はやはりこの人なんだと実感した。デルピエロ、ウーンまだまだ青いね、というところかな。

サンドニ全景 イタリアvsオーストリア チケット

 ゲーム終了のホイッスルが鳴り、スタジアムを後にする。が人の渋滞でなかなか外に出られない、ゲート付近で前も後ろも人の山になる、ここはフランス、当然係員の誘導等ない、一瞬思う、ここで何か起こったら絶対パニックになる、ヤバイ、僕らは人の山を逆戻りして、スタジアム方向に戻った。どうせ急ぐわけじゃないし、かまわないけど、やっぱりフランス、やってくれます、このいい加減さ。でもこれも経験、あのにわかファンはこんなことも経験できずにエラソーに語っているのだろうな。

 人渋滞から離れ適当に人の流れにのると、RERD線のサンドニ・ポルト・ド・パリに着く。手前のバッタ屋で奥さんがイタリアの手巻きマフラーを買った。完全にイタリアフリークである。メトロよりはかなり具合の良い列車(JRって感じ)に乗り、向かうはメトロ7のTOLBIAC、あの姉妹と指田氏と待ち合わせて中華を食らう。驚くほどうまい、と言うわけじゃないけど食って、飲んで1人3000円位、貧乏旅行にはOKの価格である。

 タクシーで忌まわしきホテルトニックに戻りバーで飲む。あいかわらず暑い。バーテンのおやじに暑いから窓開けろと言ったら、エアコンをかけた。なら、始めからつけとけよ。
駅前の店にあった生カキ(レストランの陳列で本来テイクアウトできないのに、指田氏が強引な交渉の末ゲット)を食いながら、スコッチを飲む。やっと夜がふけた頃、須賀夫妻がリドからご帰還し合流。宴会の始まり。シャンゼリーゼはトーナメント進出決定のノルウェーサポーターがドンチャンだと言う。羨ましい。

part1   part2   part3   part4   part5   part6   HOME
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送