丘はサポでいっぱい

■ＶＳスロバキア戦

ゲームが始まってすぐ思った。この試合は勝てると。理由はスロバキアが引きすぎていること、それでいながらカウンターも鋭くない。１点を早くとれれば３−０も有り得る、そんな期待が持てた。

ところで、柱谷哲が僕の２列前に座っていた。おそらくプライベートの観戦だろうが、この闘将も観客席に入ればただのおっさんサポーター。さすがに、ニッポン、チャ、チャ、チャはしなかったが、ナカタのゴールで立ち上がり、平瀬がはずすたびに頭を抱えていた。
またハーフタイムに数人のファンがサインをもらいにきていたが、面白かったのがオージーのオヤジ。日本人がサインをもらうのできっと有名人と思ったのだろう、柱谷にサインをもらっていた。そのサイン、どーすんだろう？

ゲーム終了。点差はともかく勝った、２連勝である。１次リーグ突破が決まった。これで心置きなく日本へ帰れる。当然僕はそう思った。一緒に観戦していたＭＫ夫妻、こーすけ、つばさクンと固い握手を交わし、万歳した。幸せだった。
２０分後、スタジアム外のＪＫ氏との待ちあわせ場所に着く。ここで衝撃！
ブラジルが負けた！！早速得失点差の計算に入る。ゲゲゲ、ブラジルと引分けなければトーナメント進出はほぼ絶望！しかも引分けたらブラジルは絶望。ということはブラジルは絶対に勝ちにくる、再びゲゲゲのゲー。理屈はわかった、がなんで２連勝したのに、こうなんの、と割り切れない気持ちが強い。
日本に心置きなく帰れなくなってしまった。ブラジルのバカヤロー。

1次リーグ突破を祝して、のはずだった	このおっさんにブラジルの 結果を聞いて・・・

９月１８日

■帰国

後ろ髪を引かれる思いとはまさにこれのことだろう。しかし、これ以上会社を休むわけにもいかない。（と言いながら、Canberraの格安航空チケット屋を冷やかしている僕がいたが・・・。）
ともかく、帰国である。

朝ホテルを離れ、Canberra空港へ向う。やや早く到着したため、空港の外でタバコを吸っていると、目の前にバスが通った。なんかアゴの長い若者がバスの窓から外を見ている。あれ？どっかで見た顔。ありゃ、曽ケ端！ということは代表のバス？バスは僕の左１０ｍのところで停まる。思わず走り寄る。
でたー、知ってる顔がぞろぞろ降りてくる。目の前１ｍに稲本がいる！
こりゃすごい。思わずパチリしてしまった。まあ、彼らも疲れているだろうから、一緒に写真撮って、というのだけはやめました。それと、手を伸ばせば届くとこにナカタがいたけど、彼を撮るのもやめました。だって怒られたらこわいもん。

ところで勝手に写真を撮って言うのも何だが、スタジアムへの入場といい、この空港といい、セキュリティーのラフな国だ。これが日本だったらホント大変だよ。

とこんなハプニングを最後として、僕のいいかげんオーストラリア旅行は遂に帰路となってしまった。結構楽しかった。



　　後ろのデカイ頭が稲本

■スロバキア戦を終わって
（注：これは翌日の飛行機の中で記載した僕の素直な気持ちです）

スポーツは相手との競技である。相手には相手の思惑がある。Ｗ杯、オリンピック、いやＪリーグにおいても完璧にひとつの大会を遂行したチームがあっただろうか。

９８年フランス、あの延長でバッジオのボレーが決まっていたら、クロアチアに追いつかれた後、テュラムのオーバーラップがなかったら、こんな「れば、たら」は多数ある。そんな紙一重のことでフランスの優勝はなかった、かもしれない。

我が代表の２連勝、２試合で勝ち点６に何の文句をつけられよう。
柳沢のループが決まっていたら、平瀬のシュートが枠に飛んでいたら、そんな議論に何の意味があるのか。確かにブラジルに負けたらトーナメント進出はまず不可能だろう。しかし、後１点とっていたら楽だったのに、と結果論で話すことは全くの意味を持たない。そんな「たら・れば」は状況において無限大に存在するのだ。

事実を見よう、事実を感じよう。日本は勝ち点６で単独トップなのである。
ブラジルは日本が勝った南アフリカに完敗したチームなのである。日本は同じグループで１勝１敗と日本よりビハインドを持っているチームに引分ければ、良い、それだけなのである。
選手よ、自信を持って戦おう。道はまちがいなく開ける！