Mr.ふぁんはーるスパイ日記1
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ワタシは世界で1番のカントク、Mr.ファンハールである。オランダ人であるが、クライフやファンバステンのようにゴルフに逃避しない。オランダがライカールトのような小僧をクビにして、ワタシを招聘したのは正解だ。なんていたってワタシが世界一だからな。

そのワタシに視察をせよ、とUEFAのヨハンソンから要請があったのは1ケ月ほど前のことであった。極東の島国にFCトキオカスというバルサを凌ぐチームがあるという。そこの夏合宿をこっそり見てこいという依頼であった。なにも世界一のワタシが出向くほどの国ではないが、実はワタシは温泉饅頭が大好きだ。(誰だ!まんじゅうのような顔をしていると言っている奴は!)
そのトキオカスとやらの合宿がクサツという温泉で行われるというので、饅頭にツラレ、ワタシははるばる日本にやってきたのだ。

8月8日午前

トレーニングは奥草津の芝生のグラウンドで始まった。総勢21名がグラウンドに散らばってボールを蹴っている。そこに、ワタシ以上にまんじゅう顔(しかも黒い)のオトコが現れた。ホイッスルを鳴らし、全員集合の合図、選手たちは間髪を入れず集まってくる。なかなかデシィプリンのとれたチームだ。ウチのクライファルトにも見習わせたい。

まんじゅう顔の黒いオトコが演説を始めた。
「我々の目的は今晩うまいビールを飲むことだ。そのためには汗をかけ!そして声を出せ!これを専門用語でコーチングというのだ。声を出せば喉が渇く、そしたらビールがうまい。それとケガはするな。ケガしたらビールがまずい。以上だ。」

なんと的を得た、しかも簡潔なコトバだろう。日本にこんな優秀なカントクがいたとは!ワタシは思わず感心してしまった。

続いてアホ顔のコーチが、まんじゅうカントクのお言葉を解説し始める。日本語堪能のワタシではあるが、どうも聞き取りにくい。もちろんワタシの日本語理解能力は充分である。すなわち、コーチの日本語が不適切なのである。
そして、ビールを飲むための練習は開始されたのである。

8月8日午後

昼休みに突然大雨が降る。ピッチが滑りやすくなり、ワタシにとってはなつかしいアヤックスのユニホームを着ていた大男がハデにコケル。このオトコ、スパイクは履いているがポイントがない。これが日本の流行なのだろうか。

ハーフコートゲームが開始される。8VS3、5VS3等人数を変えたゲームが続く。パスを通す(受ける)ポジションを体験させる最新式のトレーニングである。うーん、このアホコーチ、なかなかあなどれない。
右サイドを疾風のごとく駆け上がる選手がいる。こいつも黒い。ワタシの調べでは元人事でアホ新人を採用したためにクビになったオトコだ。左サイドからは脳不満足オトコが上がり、絶好のタイミングでセンタリングかと思ったら、地面を蹴って足首を痛めた。脳だけでなく、足首まで不満足なのか!CFはGミュラーを彷彿する小太りの1番だ。3分間は素晴らしいプレーをする。

DFも凄い。そのプレーに年輪(もといトシ)を感じさせる渋い(もとい遅い)右サイド、いつも顔が笑っている名古屋系左サイド、CBには顔のコワーイ新人がいる。まるでドゥザイーのようである。

ふっと気が付くと、女性もいる。なんとこのチームはレディースもあるのか。しかも2人ともトップにはって微動だにしない。まるで引退間際のサリナスのようだ。
ますますあなどれない、ワタシはその気持ちが強くなった。が、このチームの本当の姿を知るのはこの後なのである。

8月8日 夜間練習

夜間練習の開始である。

19.00 驚愕の夜間練習が始まった。まずはビール40本でアップ開始。カラダが暖まってきたところで、いよいよ個人テクが披露され始めた。
ユニフェチと名乗るポルトのユニを着用したオトコが言う。
「俺は新橋のランパブでおっぱいもみもみしていたところをカントクにスカウトされたのだ!」

昨夏悲惨な体験をしたはずの13番が語る。「ナカヤマコの帰りに、ドドーン(注:太鼓の音)、オネーチャンをナンパして、ドドーン、やっちゃったのは、ドドドーン、Nクーン」

昨冬MIP受賞者Nが続く、「ほんとーのところは、ドドーン、僕は部屋に行っただけ、ドドーン、寮に帰ったら、ドドーン、布団の中でUがオネーチャンと、ドドドドーン」

13番が太鼓を奪い取る。「ドドドーン、その時Nはこう言った。僕も仲間に入れて、ドドドドーン」


このおぞましい光景はなんなのだ。これだけの個性の集団があの新しいサッカースタイルを構築できるのであろう。ワタシは戦慄が走るのを感じた。

唯一紳士の長身痙攣FWが耐え切れなくなり、口を開く。「俺会社辞める!」(注:これはホントのことらしい)
昔、江戸川台でブイブイ言わせたが最近めっきり衰えたバッジョが、法事というじじくさい理由で退席する。気が付くとスノボーナンパを得意技とする、「どーもすいません」がいない。単独練習のため、クサツの夜に繰り出したらしい。こうして戦慄の夜はふけていくのだった。

 

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