indexへ  次へ  

 6月27日 愛しきサポーター達その4
 「ポルトガルのホスピタリティ」
 

 

 ポルトガル人は全く気を使わない国民性だと感じる。全てがいい加減、ただ各個人はとっても人が良く、その個人の裁量で物事が進行する。したがって、ある部分では全くシステマティックでなくイライラさせられるが、トータルとしてイヤな思いはあまりしない。

 今回スタジアム周辺で唖然としたことのひとつにサポーターの住み分け問題がある。結論から言ってしまえば、誰がどの手法でどのルートでスタジアムへ行くのも自由、誰がどこの席を確保しても自由。TVでもおわかりになるだろうが、ゴール裏の半分(カテ3)とそれに続くカテ2部分の一部がTSTチケットで1国のサポーターが占領している他は、どのチーム(国)を応援しようがしまいが、席に区別はない。よって、スタジアム行きの電車も、そしてスタジアム内のほとんども両国サポーターが呉越同舟となっている。

 と、あっさり書いたが、02年のW杯を思い出して欲しい。アルゼンチン人が歩いていただけで警察に通報したJビレッジ傍のおばちゃんは論外として、埼玉では席別にスタジアムへの行きかたを制限していたし、宮城では外周を1周回れなくして、両国のサポーター同士が交わることを極力排除しようとしていた。

 実際にサポーター同士の衝突は過去にも事件となって起こっているので、僕は日本の対処が厳格すぎるとは思わない。が、これも実際に見た今回のポルトガルではどうだったか?僕の周囲では一切の事件は起きなかった。どこの国のサポーターもカフェを占領しビールをたらふく飲むし、同じ電車やバスに乗り合わせた両国の応援合戦もすざましかった。でも全てはゲーム前、そしてゲーム中であり、ゲーム後は「ノーサイド」であった気がする。つまりほとんどのサポーターは相手国をリスペクトしながら、きっちりと自国応援のアイデンティティを所持し、応援合戦を楽しんでいるのだと思う。

 この楽しみ方がマジョリティであり、繰り返すが今回のEuroにおいて僕は騒動に出くわしていない。しかし、イングランドサポーターがスリに殺されたような痛ましい事件は起こるし、フーリガンも確実に存在する。起こることを未然に防ぐのは大事な思考だが、埼玉や宮城のやり方で事故を本当に未然に防げたのだろうか。事件を起こそうと思う奴はどんな警備体制でも起こす。としたら埼玉等のやり方は単にサポーターの楽しみを奪っただけ、とは言えないだろうか。

 このポルトガルと日本の警備手法の異なりは国民性なのかも知れない。しかし、サポーターという人種に対する理解度に関しては数段ポルトガルが上だったような気がするのだ。(Faro除く)

 

   

  indexへ  次へ  

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送