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2002年W杯チケット日本国内販売分の1次購入申し込みが、本年10月から開始されることと決定した。 しかし、需要と供給のアンバランスは明白であり、我々一般ファンにとってスタジアム観戦の可能性は低いと言わざるを得ない。しかし少しでも可能性を高めるために、我々自身ができることはないのであろうか。サッカー観戦チケットというものの定義を含め、考えてみたい。 |
■フランスの教訓〜実体験からの考察〜 (以下記載することの半分はあやふやな記憶をたどって書いている。よって一部記憶違いがあるかもしれないが、その点はご容赦いただきたい。) 僕は東急観光のクロアチア・ジャマイカ2戦観戦ツアーを申し込んだ。東急に決めた理由は特にない。別に大手であることはまちがいないし、またどこの旅行代理店でも金額に差はないし、たまたま東急になっただけである。 6月10日 アルゼンチン戦を4日後、僕の出発日まで9日にせまったこの日、事件はおこった。朝日夕刊に「アルゼンチン戦チケットの8割が手元になく、その後の2戦分も不確実」とのこと。 当初、思ったことは、自分が行くのがアルゼンチン戦でなくよかった、あのフランスのことだから2〜3日遅れているだけで結局大丈夫だろう、の2点であった。誰でも災難は自分には降りかからないと勝手に思う、後から考えればまさに勝手な思いそのものであった。 6月11日 午前中、まず東急に事情を確認してみる。しかし相手も今回の事態には困惑だけで、何の事情もわからず何の対策も打てない状態のようだった。夕方、再度電話するが事態は悪化。どうも日本の旅行代理店へのチケット運搬が全くできていないようで、アルゼンチン戦ツアーは中止とするかもしれない、とのこと。 僕「クロアチア戦はどうなりますか?」 先方「現段階では何とも申し上げられない。手元にチケットがないのは事実なので、相手の連絡を待つしかない。」 僕「事情はわかった。ただオフィシャルでなくていいから、今迄の経験上あなた個人はこの問題は解決すると思うか。」 先方「今迄こんなことは一度もないのでわからない。ともかくアルゼンチン戦まで待っていただきたい。事情が明確になれば対策は打てると思う。」 日本の代理店がアホなことをするわけはないと信じ、僕はアルゼンチン戦まで待つことにした。この段階では、もし晴れのW杯の初戦でガラガラのスタンドだったら選手がかわいそうだな、そんなことを思っていた。 夜遅く、自宅にFAXが届く。東急からの業務用緊急連絡書である。(僕の妹が東急観光のツアコンを請け負っているため、届いたいわゆる指示書である)内容はアルゼンチン戦ツアーの中止決定、お詫び金は一律30000円、であった。事態はさらに悪くなっている、そんな感じがしていた。 6月12日 午前中、懇意にしている某航空会社のO氏より心配の電話が入る。事情を説明すると、彼は事態は深刻なので多分チケット確保は無理だ、どうも日本の代理店がまるごと詐欺にあったらしく、欧州経由でチケット依頼している代理店はことごとく確保できていない。今後東急のみが好結果を出すとは考えられないと言う。アルゼンチン戦まで待てと言われたが、と問うと、おそらく待っても同じ、別の対策を考えたほうが良いと言われた。事態は最悪になっていく。 再度、O氏から電話。クロアチア戦かジャマイカ戦のどちらか1戦だったらコネクションで旅行手配が可能だが、どうするか。回答期限は本日夕方まで。 悩む、東急が完全にダメになったわけではない、しかし行けなかったら元も子もない。しかし1戦だけで我慢できるのか、そもそもアルゼンチン戦をあきらめて後の2戦を選択したのは、何故だったのか、日本の勝利を観たいからである。 では一番可能性のあるジャマイカ戦を選ぶか、しかしもし前2戦に敗れていたら味気ないゲームになる、そんなゲームだけを観にいくのか。最もヤマになるはずのクロアチ ア戦も絶対はずせない。でも欲張って何も観に行けなかったら…。 もう一度東急に事態のヒアリングをする。しかし返答は昨日と同様。進展はクロアチア戦もキャンセルの可能性が強いということだけ。 30年間応援して、夢にみたW杯、それが遂に実現したのにその場にいられないのか。 悩んだ、悩んだ末、心に決めた。絶対2戦観てやる!観るためにはどんな手段でも使ってやる! そして再度O氏に電話する。 僕「東急はやめます。Oさんのご紹介していただけるツアーに乗り換えます。」 O氏「どちらの観戦にしますか?」 僕「両方です。」 O氏「それは無理です。チケット手配ができてもエアーもホテルも今からでは確保できません。」 僕「ご紹介いただける代理店と直接交渉させて下さい。2戦観ることに決めました。Oさんにはご迷惑をおかけしません。」 O氏「わかりました。直接お話しして下さい。」 と、旅行代理店M社社長のS氏を紹介される。 早速S氏に電話。 僕「O氏に紹介いただいた浅野と申します。何とか2人で2戦とも行きたいのですが、何とかならないでしょうか。」 S氏「チケットはジャマイカ戦2枚、クロアチア戦1枚を手配できます。しかしエアーとホテルが手配できないと思います。」 僕「ホテルは野宿でもいいです。エアーはキャンセルとか、なんでもいいからともかく見つけて下さい。当日試合開始までにナントに到着できればなんでもいいです。」 S氏「ホテルは何とかなるでしょう。でもエアーが…」 僕「じゃあ、ともかくホテルを予約して下さい。エアーが取れなくてキャンセル料がかかってもかまいません。できるとこからFIXしていって下さい。」 S氏「やってみます。電話はこのままで待って下さい。」 (数分経過) S氏「ホテルはOKです。エアーはダメですが、ウチの社員が乗っていく予定の分を差し上げましょう。あなたの熱意には負けました。但し条件がひとつ、ナントではツアー客をスタジアムまで案内して下さいね。ウチの添乗員が行けないのですから。」 僕「もちろんOKです。いまからフランス語の勉強します。(汗)」 なんとか確保できた、これでフランスへ行ける!僕は今日一日まったくシゴトをしていないのに気がついたのは夕方の7時をまわっていた。 夜8時すぎ、東急にキャンセルの電話を入れる。先方担当者の心からの「良かったですね。」に多少心が洗われる。彼らだってこんな事態は望んでなったものではないはずである。 6月13日 朝、東急新宿支店でキャンセルの手続き、お詫び料は50000円で決着する。まだツアー中止は最終決定ではなかったらしいが、このような事態になったため内定しているお詫び料を適用していただいた。 この金額が多い少ないの是非は別にして、内定段階のしかも休日に支払をしてくれた態度には同じ会社員として素晴らしい対応である、と感じた。 6月20日 上記困難を運で乗越えた僕は、19日パリへ入った。しかしクロアチア戦チケットが1枚しかない、という問題は解決していなかった。僕らはこの1枚のチケットの上限価格を3000F(75000円)と決めていた。日本で読んだ新聞からの相場、また今回のお詫び金等から考え、この金額とした。 しかし、もし購入できなかったら、我々夫婦のどちらが観るか、また観られない1人はその間どうしているか、を決めていなかった。というより、話題にもしたくなかった。 ナントでバスを降りスタジアムへ向かった。最初の10分くらいはダフ屋の影もない。逆に何人もの外国人は ”I WANT TICKET”という看板をぶらさげていた。僕は少しあせった。本当にチケットが買えないかもしれない。その時あやしいイラン人のような奴が僕らに近づいてきた。 1枚4000F(10万円)、チケットがあった、その安心感、安堵感、それだけで何のためらいもなく、僕は値切りもせずそのチケットを購入した。 |
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