indexへ  その2へ

天皇の
那須御用邸滞在記

 
 朕は天皇である。いにしえの時代天皇は国の統治をし、現代は国の象徴と言われているが、いつの時代においても、民を思う心は不変である。民を思う、とは民の気持ちを知ることから始まるとの、朕の祖先である天智天皇のお教えに従い、朕は民の輪に入ることを常にこころがけている。しかしながら、公務が多忙であり、平民の出のくせに少しの教養があるかどうか知らんが、ウチのM子がギャーギャーとうるさく、なかなか民との談合をとる機会がおとずれなかったのである。

 朕は天皇である。したがって那須の御用邸にはよく行く。この7月の3連休(注:3連休などというのは平民の制度であり、皇室には何ら関係のない暦ではあるが、ここでは平民が理解しやすいようにこの表記とする。)も那須の御用邸で「サラリーマン金太郎」を読んでいたのだが、その時ある情報が入ってきた。FC tokiokasとかいうフットボールチームが那須で合宿をしているのだという。

 朕は天皇である。天皇は公家である。したがって蹴鞠はうまい。ついでに英国のエリザベスとは懇意の仲であるゆえ、英国の国技であるフットボールというも朕は運動に造詣が深いのである。まあ、イングランドはなんと言っても、ランバートがすげぇな。どうだ!ベッカムと言わないところが、プロっぽいだろ!

 そんな偶然の一致から、朕はフットボールクラブの中でも、まさに下々のクラブであるFC tokiokasというチームの下々の選手たちとのコミニュケートにより、民の末端が何を考えているのかの調査、研究を目的として、朕の立場を隠して合宿に潜入したのである。

■芝生の由緒正しきグラウンドで 

朕はFC tokiokas合宿の集合時間10:00amの30分前に、合宿場所である那須ハイランドに到着した。なんでもここはその昔、Jリーグで天皇杯(朕の名前ではないか!)を獲得したベルマーレとかいうチームの前身であるチームが練習していた由緒正しいグラウンドだそうだ。が、集合時間の30分前なのに誰もいない。そのうち、周囲から「先生」と呼ばれている年配の男が現れたため、さりげなく聞いたところ、M岡という年配は東北道が事故渋滞で選手到着が遅れているとの話をした。

 渋滞?なんだ、それは?高速道路っていうのは、パンダみたいな色で赤いライトをクルクルさせている、いわいる庶民ことばで”まっしゃ”ってやつが先導してビュンビュン走るところではないのか。朕は最初から下々の世界に対して軽いカルチャショックを感じてしまったのである。

 それでも選手たちは三々五々集まってきた。選手?本当に彼らはフットボールの選手なのか?10代なのにタバコを吸っているSから、あきらかな中年太りのK出まであまりの多種多様、玉石混合にコトバも出ない。いや、混合でもいい、「玉」はいるのか?、こりゃ河原の石ころ集団ではないのか。

遅刻したコーチ 「玉」のいない選手たち

 練習が始まる。本来のコーチが渋滞で遅れているため、最近コネでC級をとったTルが臨時でコーチを行う。ちなみに高い身分の方用に説明するとコーチとは、朕における侍従職のようなものである。臨時だからたいしたことないと思っていたTルだが、なかなか出来る。走るだけで脳の少ないI田や虚弱体質のA坂も楽しそうにTルに従っている。なるほど庶民の心はこうして掌握するのか!朕は少し勉強になった。

 午前の基礎練習が終わり、いよいよ午後はゲームを中心とした練習だ。コーチはTルから、この9月に結婚するI川にバトンタッチ。I川も齢を重ねただけあり、昔のような舌足らずのボキャ不足ではなく、大人のM浦や、I川よりも数倍偏差値の高いW部もが納得できるような説明をしながら指導している。たいしたもんだ。幸せな結婚をしろよ。朕の場合は身分上政略結婚のようなもんだから、皇后は#$%&?+%&(意味不明)。

天皇vs皇后

■11人制ゲームだぞ!

 いよいよ芝生フルコートで11人ゲームの開始。みんな久しぶり(何人かは初めて)の芝生グラウンド11人制のため、戸惑いよりもうれしさが先になり、よく声が出ている、よく走っている。特に長老のI塚や普段ぼぉーとしてぼよよんとなっているだけのT代がすごい勢いで走っている。死ぬなよ、朕は暖かいねぎらいの詔を侍従長に渡した。

 それでも元気はおさまらない。朕はエリザベスからのヒアリングで11人制はそれなりの戦略があると聞いていたが、ここの連中は「よこせ」「右」だの基本的な日本語だけでコミュニケーションし、嬉々としている。ただ図々しいだけなのだろうか・・・。そしてその勢いは夜まで継続するのである。

勢いだけでは2日持たない

 

indexへ  その2へ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送